特別な思いを持ち、謹んで新年のご挨拶をさせて頂きます。
- 2020/12/31
- 動画で浅草体験
本来なら新年会でご挨拶させて頂く皆様へ
特別な思いを持ち、謹んで新年のご挨拶をさせて頂きます。
まずは、医療機関で、あるいは行政の窓口で日夜新型コロナウイルスの猛威と戦われる皆様に、心よりの敬意と感謝を込めてお見舞い申し上げます。
昨年の年頭に新年会でお話しさせて頂いた時点では、新型コロナウイルスが発生したことは認識して居りましたものの、このような事態になることは予想もせず、オリパラに向けて、バリアフリーを含むインフラの整備、災害に対する備え、インバウンド対策として、日本のマナー常識の周知、などなど、日本中を人々が集団で動くことに対する備えばかり考えておりました。
それが、あれよあれよという間に、ダイヤモンドプリンセス号の報道に始まり、コロナが我々の生活にずかずかと入ってきて、三密、クラスター(集団感染)、パンデミックス(感染爆発)、緊急事態宣言などというそれ迄全く馴染みのない言葉と、世界中の日々の感染者数、日本各地の、東京の感染者数が日常的に報道の電波に乗り、日本中を震撼させ続け、今日に至っております。
図らずも、自分たちが世界と繋がっていることを実感させられたのも昨年でした。
人を集め賑やかな楽しい企画をと務めてきた浅草観光連盟にとっても、昨年の年頭にやろうとしていた事が一つも出来ぬままの一年、コロナ対策に取り組まねばならなくなってしまいました。
マスク、消毒、ソーシャルディスタンス、手洗い、うがい、換気。
リモート授業や会議、飲食店の営業時間短縮など、必要とは思いつつ、やるせない思いで過ごす毎日が続きます。
それならば、それらのルールはしっかりと守りつつ、憎きコロナを将来の浅草の為、利用することを考えてやろうと思い至るようになりました。
昨年十月に、浅草料理飲食業組合の若手経営者の皆さんを中心に一部物販の皆さんにも参加して頂き、基本ルールの他に各店が独自で行っているコロナ対策についての意見交換会を開催いたしました。知恵を出し合って対策をしようという試みです。
一方で、コロナ対策のシステムに携わる企業の方々にお声掛けして、こちらはリモート会議で、それぞれがお持ちのシステムについてお話しいただきました。
オゾン・紫外線・銀イオン系抗菌コート剤・無効触媒リン酸チタニア・ヴァニッシュフィルター・など、多くの企業の方から説明を受けました。
浅草は、ここで生まれ育ち、お仕事をされている方々の大変に多い街であると同時に、浅草寺・浅草神社を中心とした、日本文化伝統を色濃く残した国際観光地です。
それ故、日本全体の縮図と言って良い程あらゆる職種があります。
この浅草であらゆるケースでのコロナ対策「コロナ対策浅草モデル」が出来れば、それは日本中の他の街にも参考になる筈、と考えました。
先の料理飲食業に加え、小学校・公会堂・ホテル・デパート・演芸場・区役所・保健所の皆様にもお声がけし、企業の皆様へのリモート質問会を開催し、テレビにも放映して頂きました。
質問は、業種、規模に応じた対策、予算、リースの事など、具体的な内容となり、これがきっかけで導入を決められたお店もございます。
その後この様子を見られたほかの企業からも、情報の提供が寄せられ、、今後も定期的に開催したいと考えております。
そのほかの対策として進めておりますのは、
*浅草演芸ホール松倉社長にお願いして、若手芸人によるコントを作って頂いております。
「家庭編」「職場編」「飲食編」として頂き、それぞれのシチュエーションでやりがちな行為を
親しみやすいアクションで、わかり易く表現してもらうものです。
*募金箱を作成し、料理飲食店組合を中心に、設置して頂きます。
このお店がコロナ対策をしっかりと実践している旨の推薦状を添え、お客さんが、
「なるほどしっかり実践している店だ」と思われたら、自主的に募金箱に募金して頂き、たまった募金は、台東区を通じて区内の医療機関の応援として届けて頂きます。
医療機関からのお礼状が来れば、それを店に張り出し、お客様への更なるご協力もお願いする。
善意の循環でコロナ拡大防止の一助になると考えます。
*台東区観光課が、日本で守って頂きたいマナーの冊子を英語・中国語で作成しました。
海外からの入国者の多くは、ホテルで二週間滞在を義務付けられる訳で、この間にホテルでこれを読んでもらうため置いてくださる様、ビューホテルの成田と浅草にお願い致しました。
*台東区が「コロナ相談窓口」をホームページ上に開設しております。
浅草観光連盟では、このコーナーへ直接飛べるQRコードを、スマホアプリ「365ASAKUSA」に載せました。
熱がある、ちょっと心配などと思われたら、「First Asakusa」から「menu」「感染予防」でご確認ください。
どれだけ時間がかかるかは分かりませんが、いずれワクチンや治療薬が開発され、賑わいを取り戻す事と信じております。
それまでに、昨年来の宿題解決に加え、更に先の浅草を見据えて計画をしなければならないと考えております。
幸いにも、今の浅草には三十代四十代を中心に多くの優秀な若手が育っております。丁度、戦後の復興の為に、私達の親の世代が立ち上がり、引き継いだ私達からその子の世代へ繋がりつつあります。
防災をテーマに浅草の安全安心を構築しているグループ、明日の浅草に必要な催事をいくつも企画しているグループ、そしてコロナ対策を進めるグループ。
それらが別々ではなく、ある時は少数が、ある時は大きなチームとなって話し合って、着々と形を作り上げてゆく姿を見ると、この街の人の強い繋がりを感じます。この繋がりさえあれば、コロナ後の浅草再生は間違いないと確信を持っております。
新年会で親しく皆様にお話できないのは残念でございますが、書面を持ちまして新年のご報告とさせて頂きます。
令和三年 辛丑 新春
一般社団法人 浅草観光連盟
会長 冨士 滋美