「栗むし羊かん」といえば、浅草雷門前の「龍昇亭 西むら」。味の良い和菓子店が多い浅草で、ひときわ有名なお店。羊かんには蒸し羊かんと、寒天を使った練り羊かんがあるが、歴史は蒸し羊かんの方が古く、小麦粉と小豆餡を練り、羊の肝のような色になった時、これを蒸したものだった。これに栗を加えたのが栗むし羊かんだ。
西むらは江戸末期に、雷門前の広小路に面した茶屋町でお茶屋を始め、文政12年の歌川広重作『雷門前図』にもお店が描かれている老舗。「栗むし羊かん」はもちろん、「金龍(ももやま)」「東京かすてら」、「昇り鮎」など浅草の催事と季節にちなんだ品々が大人気。