浅草寺中心の賑わい
- 2015/12/2
- はじめての浅草
浅草寺中心の賑わい
浅草寺は本尊の観音様だけではなく弁天、薬師、稲荷、八幡、阿弥陀、不動など神仏も広い境内におかれていたことからそれらを信仰する人たちも多く参拝に来られていました。その浅草寺境内にはたくさんの茶屋や楊枝見世などが立ち並んでおり参拝者で賑わっていたようです。
浅草が江戸時代から観光地として発展したもう一つの理由として南東に両国や回向院、西に上野比叡山寛永寺と門前の広小路という盛り場が隣接していたことにもあるようです。一日かけて歩いて回るにはちょうど良い距離だったことで相乗効果により発展したとも言われています。
浅草は浅草寺の観音本道を筆頭にした伽藍を中心として境内には二百数十軒の店舗、奥山の見世物小屋、隣接する歌舞伎芝居小屋、そして不夜城の吉原といった現代でも通じる盛り場の要素をすべて兼ね備えた複合商業施設の性格をもった地域だったといえます。
まさに現在の舞浜が以下のようにその要素を満たしているとみると賑わいの理由を納得しやすいかもしれません。ディズニーのキャラクターがそれぞれ人気を集めているところ。ディズニーランド、ディズニーシー、イクスピアリと人気施設が隣接しているところ。その中に数々の店舗がありパフォーマンスを見せる場があるところ。そして数々のホテルがあり夜遅くまで賑わっているところ。
普段は秘仏として参拝を許可していない仏像を一定の期間だけ扉を開けるご開帳は各地の寺社で行われていました。浅草寺においても江戸時代に三十数回のご開帳があったと記録されています。
このご開帳は普段から集客力のある浅草寺においてさらなる参拝者の増加に寄与したことは言うまでもありません。浅草以外の地方の寺社が人の集まる浅草でご開帳を行う「出開帳」を行う宿寺になることもしばしばありました。こちらも多くの人を集めたという記録があります。
境内に点在する神仏の他にも他の寺社を受け入れる手法によりお賽銭収入があがったことは言うまでもありません。このことは今でも浅草寺境内で地方の物産展を開催するなどの形で、地元を懐かしむ人やその地方へ興味を持つ人などで賑わいを見せています。境内や門前の店舗もその都度大いに賑わったとされています。